スーパーのレジで、顔だけ急に熱くなったことがある。
お会計、1,847円です、と言われたあたりで、首の下からぶわっと。
待って、いまじゃないでしょ、と思ってる間に頬が熱い。
額から汗がにじんできて、こめかみを一筋つたって顎の先からぽたっと落ちた。
レジ台に。
見られた気がした。
小銭が出せない。
指が汗で滑って、100円玉が財布の中で逃げる。
後ろに人が並んでる。
結局お札で払って、財布が小銭でじゃらじゃらになって、車の中でしばらくぼーっとしてた。
夏の駐車場、車内はもうサウナだった。
この汗、単なる暑がりとは違うのが、あとになるとわかる。
更年期の症状って、ずっと同じ調子で悪いわけじゃなくて、波がある。
わたしはひどい波のときに仕事を2回休んだ。
いまは落ち着いてきたから、復職して働けてる。
ただ、いまでも怖い。
またあの波が来たらどうしよう、って思ってる。
朝から体調が変な日は、来た?って身構えてる。
だから、いま人前で急に顔が熱くなって困っている人の気持ちは、思い出話じゃなくて地続きでわかる。
今日は、あの「人前でカーッ」をわたしがどう乗り切ってきたかを書いておく。
昼のほてりだけじゃなく夜も眠れていない人は、こっちを先に読んでもらってもいいよ。わたしが試して良かった睡眠サプリの記録。

気温じゃなくて、体の中から来るやつ

最初は「わたし、暑がりになったのかな」と思ってた。
でも周りを見ると、みんな涼しい顔をしてる。
冷房の効いた店内で、カーディガンを羽織ってる人までいる中で、わたしだけ顔が真っ赤。
首すじから鎖骨にかけて、汗がじわっと膜みたいに広がる。
ブラウスの襟がぺたっと肌に貼りつく。
前髪が額に貼りつく。
朝、ちゃんと巻いたのに。
気温のせいなら、みんな暑いはず。
そうじゃなくて、体の内側からストーブを急に「強」にされたみたいに来る。
外の暑さとは関係なく。
婦人科の先生には「体温調節のスイッチがうまく働きにくい時期なんですよ」と言われた。
壊れたんじゃなくて、バグってるんだ、と思ったら少し気が楽になった。
敵に名前がつくと、少しだけ怖くなくなる。
これは怖い病気の話じゃなくて、恥ずかしいだけで、時期がくれば終わっていく話。
だから深刻になりすぎないでほしい。
人前でカーッと来たとき、わたしがしのいだ方法

1位:首に巻けるハンカチをバッグに常備する
外出時は、首に巻ける薄手のハンカチを必ずバッグに入れるようにしている。
熱くなったら首すじを軽く覆って、汗を吸わせながら風を通す。
顔を隠すためじゃなくて、首の後ろの血管を意識して冷ますためのもの。
これがあるだけで、外に出る前の安心感がまるで違う。
通勤電車の中でカーッと来たときは、つり革を持つ手と反対の手でハンカチを首に当てて、目を閉じてやり過ごす。
数駅分の辛抱だと思うと、意外と乗り切れる。
保冷剤入りのタイプを冷凍庫にストックしておくと、さらに心強い。
あの日から、外出前に必ず確認する持ち物が増えた。
首に巻けるハンカチ、汗拭きシート、そして予備のTシャツ。
荷物は増えたけれど、備えがあるだけで肩の力が抜ける。
2位:「暑くて」と自分から言ってしまう
汗を隠そうとするほど、焦って汗が増える気がする。
だからある日、開き直って「わたし今日、暑くて」と笑いながら言ってみた。
そうしたら、汗が引くのが早かった気がする。
友人にこの話をしたとき、「わたしも同じ」と言われて驚いたことがある。
誰にも言えないと思っていたことが、実は珍しくなかった。
それを知ってから、少し肩の荷が下りた。
焦りが消えるからかもしれない。
科学的な根拠は知らないけれど、ハンカチの次に効いた。
3位:メイクを汗をかく前提に変える
厚塗りのファンデーションをやめた。
汗で流れたファンデは、隠したかったものより目立ってしまう。
いまは下地とパウダーだけにしている。
崩れても「ちょっと汗かいちゃって」で済む顔にしておくと、気持ちが軽い。
これは美容の工夫というより、心の保険のようなもの。
崩れる前提のメイクに変えてから、鏡を見る回数も減った。
前は化粧室に行くたびにチェックしていたけれど、いまはそこまで気にしなくなった。
気にしなくなった分だけ、外出そのものが少し楽になった気がする。
会議中に来たときは、資料をめくるふりをして顔の前で軽く扇ぐ。
不自然に思われないくらいの、さりげなさを心がけている。
効かなかったもの
汗を抑えるとうたう高めのミストを、いくつか試した。
内側から来る熱には、外からのミストは追いつかなかった。
数千円が何本分か、授業料になった。
スマホのメモに、効いた対処と効かなかった対処を書き溜めるようにもなった。
同じ失敗を繰り返さないための、自分専用のマニュアルのようなもの。
これ、夜も来るから
昼間のほてりで悩んでいる人に、これだけは言っておきたい。
昼にカーッと来る体は、夜もカーッと来る。
寝入りばなに、ぶわっと。
夜中に、ぶわっと。
パジャマの背中が湿って目が覚めて、寝直して、また起こされる。
わたしの場合、昼のほてりより夜のほてりのほうが、生活へのダメージが大きかった。
眠れない日が続くと、心のほうが先に削れていく。
夜のほてりが続いた時期、わたしは婦人科でプラセンタ注射を受け始めた。
更年期の症状があると医師に認められれば、保険適用で受けられる治療で、自己負担は1回500円くらいだった。
眠りの質がすっかり変わって、いまではお守りみたいな存在になっている。
効果には個人差があるし、保険適用にも条件があるから、気になる人はかかりつけの婦人科で聞いてみてほしい。
夜のほてりについては、こちらの記事にまとめてある。




よくある質問
人前で顔が熱くなったら、何をしていた?
まず首すじにハンカチを当てる。
それから「暑くて」と一言、周りに言ってしまう。
隠そうとするより、そのほうが早く落ち着けた。
メイクで変えたことはある?
厚塗りをやめて、下地とパウダーだけの薄いメイクにした。
崩れる前提にしておくと、気持ちがずっと楽になる。
食べ物は何か気をつけていた?
ほてりの一因と言われるものは避けていた。
人前で汗をかくのは、とにかく恥ずかしいから。
刺激物やカフェインを控える、そのくらいのゆるさで続けている。
病院には行った?
波がひどい時期に、婦人科へ行った。
「体温調節がうまく働きにくい時期」と名前がついただけで、少し怖くなくなった。
最初は、こんなことで婦人科に行っていいのか迷っていた。
でも一人で抱えるより、早めに相談してよかったと思っている。
つらい波が長引いているなら、我慢せずに相談してみてほしい。
まとめ:まず、ハンカチを1枚バッグに
体は、前みたいには信用できなくなった。
それは認める。
でも、対処のカードは増やせる。
カードが1枚増えるたびに、外に出るのが少しずつ怖くなくなる。
今日はまず、首に巻けるハンカチをバッグに1枚。
それだけで、レジで小銭を出せるようになった。
職場の人には、まだこの症状のことを話していない。
いつか話せる日が来るのか、自分でもまだわからない。
みんな通ってる道だから、「汗くらい」と笑える日は、ちゃんと来ると思う。
