台所に立った瞬間、においで手が止まった朝がある。
食べたい気持ちはあるのに、体のほうが受けつけてくれない。
更年期の波のなかで、そういう日がときどきあったの。
ひどい時期は2度休職して、いまは復職して働けるところまで戻ってきたよ。
落ち着いてきたとはいえ、食べられない朝のあの心細さは、思い出話にはならないな。
ここに書くのは、原因の話でも受診の話でもなくて、気持ち悪い日にわたしが食べられたものと、食べられなかったものの記録だけ。
無理に食べたほうがいいという話でもないから、そこは安心して読んでね。
食べたいのに、においで手が止まる日
湯気が立つものが、いちばんきつかった
わたしの場合、いちばんきつかったのは湯気だった。
炊きたてのごはん、みそ汁、温めたおかず。
おいしそうなにおいのはずなのに、湯気が顔に当たった瞬間に無理になるの。
炊飯器のふたを開ける前から、今日はだめかもしれないとわかる日もあった。
だから、この日は温かいものを最初に出さない、と決めるところから始めたよ。
残暑の時期は台所に立つだけで暑いから、火を使わないで済むほうが体もラクだった。

食べられない日を、悪いことにしないと決めた
食べられない日に自分を責めるのを、まずやめた。
食べなきゃ、と思うほど台所に立つのがしんどくなっていたから。
作ったのに食べられなかった日は、料理のほうにも申し訳なくて落ち込んだの。
そこで、はじめから作らない日をつくることにした。
食べる回数より、食べられるものを1つ用意しておくほうが気がラク
1日3回そろえることはあきらめて、食べられるタイミングに食べられるものを少しだけ。
そう決めてから、台所に立つのが少し軽くなったよ。

わたしが食べられたもの
冷たくて、水気のあるもの
食べられたのは、まず冷たくて水気のあるものだった。
冷やしたぶどう、すいか、りんごをすりおろしたもの。
残暑の時期は冷蔵庫に果物を切って入れておくと、それだけで一食のかわりになる日もあった。
においがほとんど立たないのが、わたしには合っていたみたい。
体調のいい日に、ぶどうを房から外して保存容器に入れておく。
これをやっておくと、しんどい日に冷蔵庫を開けてつまむだけで済むよ。

味が薄くて、噛む回数が少ないもの
次に食べられたのは、味の薄いものと、あまり噛まなくていいもの。
冷たいそうめんを少しだけ、ヨーグルト、豆腐。
そうめんは、つゆを薄めて、薬味を入れないほうが最後まで食べられた。
噛む回数が多いと、途中でお箸が止まってしまうことが多かったの。
味が薄いほど、においが立たないぶん最後まで食べられた
味が濃いものは、ひとくち目はいけても途中で止まってしまうことが多かった。
ひとくちずつ置いておけるもの
一度に食べきらなくていいものが、いちばん助かった。
小さいおにぎりを2つに分けておく、クラッカーを数枚だけ皿に出しておく。
食べきれなかったときに罪悪感が出ないよう、はじめから少なく出しておくのがコツだった。
そのぶん、お皿は小さいものに替えたよ。
残すのが嫌で無理に押し込んで、そのあと1時間動けなくなった日があったから。
少なく出して足りたら足す、の順番にしてから、そういう日がなくなったの。

わたしが食べられなかったもの
においの強いもの
食べられなかったものは、はっきりしていた。
にんにく、カレー、揚げたてのもの。
食べる前に、部屋に残っているにおいだけで無理になる日もあったの。
だから調子が悪い日は、家族の食事を先に済ませてもらって、換気してから台所に入るようにしていたよ。
換気扇を回したまま、窓を10分開けておくだけでもずいぶん違う。
においが消えてから戻ると、さっきまで無理だったものが少し食べられる日もあった。

油と甘さが重なるもの
油と甘さが重なるものも、わたしには重かった。
菓子パン、生クリーム、こってりした洋菓子。
甘いものなら食べられそう、と思って手を出して、ひとくちで止まったことが何度もある。
甘いものなら入る、は人によるので、自分の記録で確かめるのが早い
めまいが出た日に仕事をどうするか決めた話はめまいの日の判断の記録 に、閉経後の食べ方の話は閉経後のダイエットの記録 に分けて書いてあるよ。

食べられない日の、飲みものと段取り
常温にしておくと飲めた
飲みものは、常温がいちばん飲めた。
冷たすぎると一気に飲んでしまって、そのあときつくなることがあったから。
麦茶をコップに入れて、少し置いてから飲む。
残暑の時期は氷を入れたくなるけれど、わたしは氷なしのほうが合っていたよ。
コップは小さいものにして、半分くらいの量を何回かに分けて飲む。
枕元とデスクに1つずつ置いておくと、取りに行かなくていいぶん飲む回数が増えたの。
買い物に行かなくていいように、置いておいたもの
気持ち悪い日にスーパーへ行くのは、それだけで一日ぶんの体力を使う。
店に入った瞬間のお総菜のにおいで、そのまま引き返した日もあった。
だから、切らさないようにしていたものがいくつかある。
ゼリー飲料、クラッカー、常温で置ける豆乳、缶詰の果物。
どれも封を開けてすぐ食べられて、においが立たないものばかり。
置き場所も1か所にまとめて、そこを見れば足りているかわかるようにしてある。
体調のいい日にまとめて買っておくと、しんどい日の自分がずいぶん助かるよ。


よくある質問
気持ち悪い日は、何も食べなくてもいい?
わたしは食べられない日はそのままにしていたよ。
無理に詰め込むと、そのあとがもっとしんどくなることが多かったから。
飲みものだけは常温で少しずつ口にするようにしていたの。
翌日に少し食べられれば、それでいいことにしていた。
朝ごはんはどうしていた?
温かいものを最初に出すのをやめて、冷やした果物やヨーグルトにしていた。
湯気が立つものは、わたしにはいちばん向かなかったから。
それも食べられない朝は、常温の麦茶だけで家を出ていたよ。
職場ではどうしていた?
デスクの引き出しに、クラッカーとゼリー飲料を置いていたよ。
昼に食べられなかった日でも、夕方に少し口にできることがあったから。
社員食堂のにおいがきつい日は、外の風にあたってから戻るようにしていたの。
家族の食事はどうしていた?
調子が悪い日は、先に済ませてもらっていた。
においの残る料理の日は、換気してから台所に入るようにしていたの。
理由を長く説明しないで、今日はにおいがきついから先に食べてね、とだけ伝えていたよ。
食べられるものは人によって違う?
まったく違うと思う。
わたしは冷たくて味の薄いものだったけれど、逆の人もいるはず。
温かいスープなら入る、という人の話も聞いたことがあるの。
だからこそ、食べられたものを1行メモしておくと、次の日の自分が迷わずに済むよ。
まとめ:食べられたものを、書き残しておく
気持ち悪い日にわたしが助かったのは、冷たくて水気のあるもの、味の薄いもの、ひとくちずつ置いておけるものだった。
食べられなかったのは、においの強いものと、油と甘さが重なるもの。
どれが合うかは人それぞれだから、自分の分だけの一覧を作っておくのがいちばん早いと思う。
食べられた日に「これはいけた」と1行だけ書いておく。
それが5つくらい集まると、しんどい日に迷わなくて済むようになるよ。
体調のいい日に買っておいたものが、しんどい日の自分を助けてくれるの。

